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  それから毎日、消しゴムが無くなったり、教科書が無くなったり、ノートが無くなったりと地味だけど少しずつ私の身の回りの物が無くなっていった。 私がこれは嫌がらせなのだと気付いたのは3日前のことだった。 放課後委員会が終わった後、教室に忘れ物をしたのを思いだし、教室に戻ったら私の机を探る人影があった。 夜遅かったし教室の灯りは消えていたため、それが誰だったのかは分からなかった。 しかし、月明かりに照らされて浮き出したシルエットは、それが男性であることを明らかにした。 梨夏には言わなかった。 心配はかけたくなかったし、何より梨夏はクラスの皆を集めて“犯人探し”を始めそうだったからだ。 あれは誰だったんだろう…。  
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