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グサッ………
肉を切り裂く音が私の耳に届いた瞬間、目の前に赤い血が飛び散った。
とても赤い綺麗な血が
痛く………ない?
「くそっ………あいつに怒られるじゃねぇか………」
男はそう言い残し、走って人の波に消えていく。
目の前には、理解し難い光景が広がっていた。
「ま………こ、と?」
血をダラダラと腹部から流し、苦しそうに私を見る誠
どうして?
どうして私じゃなくて………
誠が倒れているの?
「よ、良かった……」
痛みに耐えながら私にそう言う誠を見て、やっとこの状況を把握することが出来た。
誠は私をかばって刺されたんだ。
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