第一章 春坂深紅

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広い家なのでインターホンが届くまで時間がかかるのか、なかなか返事はなかった 私はひょこっとインターホンのカメラの前に顔を出した すると 「どちらさまですか」 と声が聞こえた 男性の声だ 「すみません 春坂と言います 竹中聡子さんはいらっしゃいますか」 と深紅さんが横から言った 「姉とはどのようなご関係で」 少し冷めたような声で聡子さんの弟さんが聞いてきた 「聡子さんの同級生の妹です」 「姉は今出張に出ています 明後日帰って来るのでまたお越し下さい」 かなり警戒心の強そうな弟さんはインターホン越しにそう告げた 「分かりました また来ます」 そう言うと深紅さんはインターホンに向かってお辞儀をして歩き出した 深紅さんは家に着くと私に 「今日はありがとうございましたまた明後日行こうと思います」 と言ってドアを開けて家に入った
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