第一章 春坂深紅

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暁は自分の部屋に入るとクローゼットの前に立った 七分丈の黒いパンツを履いて、タンクトップを着た そして上から半袖の花柄のチュニックを被った 茶色いバックを手に取り必要なものだけ詰め込むと階段を降りた 洗面所で顔を洗って歯を磨く 寝癖を直してセミロングの髪を結う 鏡の前で全身を確認して、走れるように運動靴を履く コンバースの白いシューズだ 本当は夕暮を見たくない でも会わないわけにはいかない 「いってきます」 乗り気じゃないがドアを開けて外に出た 朝の光が眩しくて目が眩む どうか太陽さん お願いです あなたの光で私の涙を隠して下さい 夕暮から隠して下さい
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