第一章 春坂深紅

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「おっはよーん」 私が事務所のドアを開けると、響ちゃんが目を吊り上げて立っていた 「遅いっ!! ここは九時出勤でしょ もう十時よ!!」 「ごめんごめん 寝坊しちゃって」 「バーカ 本業なんだろ??しっかりしろよ」 そう言って夕暮がバカにする つい、昨日の笑顔の夕暮を思い出して泣きそうになった 「ちょっと暁 目が真っ赤よ??」 「あぁこれ?? これねー、昨日の夜、純愛映画を見ちゃって泣いたの そんでこうなっちゃったわけ」 来る途中で考えた言い訳を口にした 響ちゃんは 「ふーん 暁って純愛映画とか見るんだ」 と納得してくれた でも夕暮は黙っていて納得してない様子だった
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