第一章 春坂深紅

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暁は手を引かれるままに俺の後ろを歩く 視界を奪われたことで、さらに不法侵入で見つかったときの不安が募っているのか 少し口元が不安げにも見えるし、怒っているようにも見える 教室の前に到着すると俺は止まった すると暁が 「何!? 何で止まったの!?」 とキョロキョロし出した 見えないはずなのに 俺は 「見せたいものがあるっつったろ到着したんだよ」 そう言うとポケットからクラッカーを取り出し用意した 教室のドアを開けて暁をみんなの前に立たせる 俺は友達の横に並び、顔を見合わせて笑ってしまう 「ちょっとぉ… 夕暮ぇ…?? まだぁ…??」 と暁が言った そして俺は 「もういいよ アイマスク外してオッケー」 その言葉を聞くと暁は俯きながらおそるおそる外した 顔を上げたのを確認すると…
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