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「ちょっと待って…」
「えっ…?」
「聡子さん、今2ヶ月前に弟さんは出て行ったって言いました?」
「えぇ。」
「お姉さんはこの家に遊びに来たことは?」
「何度もありますよ。」
「深紅さん、お姉さんはお父さんに結婚を反対されたんですよね?」
「はい…。」
「聡子さんっ、弟さんの名前、何でしたっけ?」
「ソウヤだけど…聡子の聡に也。」
「それだっ!」
「えっ!?」
「聡子さん、弟さんに連絡を!!今どこにいるか聞いて下さい!もちろん私たちのことは内緒で!!」
「あっ、はい。」
「どういうことですか?」
「お姉さんが彼女なんですよ!弟さんの!」
「えぇっ!?」
「つまり、2人は結婚したかったんだけれども父親に反対された。だから2ヶ月前に駆け落ちしたんです。」
「つながりました!スピーカー、ONにします!
『もしもし?聡也?今どこにいるの!?』」
『姉ちゃん?いきなりなんだよ。今は彼女と一緒だけど…急用?』
『えっと…そう!急用なの!で、今どこ!?』
『何だよ、慌てて。俺は今、彼女と海に行くために側の駅まで来たけど?』
『駅?』
『そう、
"1番線から各駅停車、赤銅寺行き、発車致します。閉まるドアにご注意下さい。"』
「今の聞いた!?」
私は小声で振り向いて、そう言った聡子さんに頷いた。
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