第一章 春坂深紅

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深紅さんは言い伝えを物語のように話してくれた。 「小学校2年生のときにね、お父さんが話してくれたんです。 お姉ちゃん、それ聞いて泣いちゃって、かわいそうなお話だって。そしたらお父さんが 『お前たちは、こんな悲しくて辛い恋はするな』 って。 同じですよね、親に反対されて逃げる恋。」 「確かに…そうですね。」 「姉は、父との約束を捨ててでも彼と一緒にいることを決めた。」 「お父さんとの…約束…」 「父に連絡しました、プラチナ海岸にお姉ちゃんはいるって。」
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