第一章 春坂深紅

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「私たちからもお願いします。聡也さんと藍深さんの交際を認めてあげて下さい。」 響ちゃんがゆっくりと言い聞かせるように言った。 「部外者は黙っていてもらおうか。」 お父さんも負けじと冷たく言い放つ。 「確かに部外者ですが、私たち第三者から見えることもあると思うんです。」 「それに俺たちは深紅さんの依頼を受けたんです。全くの部外者とは言わせません。」 響ちゃんと夕暮が言う。黙ったお父さんに響ちゃんがさらに話し始めた。 「まず、あの手紙は藍深さんの作戦でしょう。自分が今誰といるのか、何のための家出なのかの。」
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