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藍深さんは響ちゃんに向かってこう言った。
「どうやらあなたには全てお見通しみたいですね。」
「えぇ。」
自信たっぷりに響ちゃんはうなずいた。
「そうです、あなたの言うとおり私は結婚を認めてもらうために家を出ました。」
「藍深…。」
「お姉ちゃん…。」
「それで認めると思ったか…?」
「お父さんっ!私は家を出てまでも彼が好きなの!」
藍深さんが叫ぶ。
私は藍深さんのお父さんの表情が一気に変化したのに気付いた。
そして、電車の中で聞いた言い伝えを思い出す。
「それって…あのお姫様と同じですよ?家族を捨ててまで自分の恋を叶えようとして…それで…家族を心配させて、傷つかせる。
藍深さん、約束したんじゃないんですか?そんな恋はしないって。」
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