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水野涼介は面倒なことにはかかわらない主義だ。
根は真面目な奴だけど、クールというか冷めた一面がある。
両親と不仲なことが、その性格を作ったのだろう。
本人の希望でわざわざ全寮制のこの高校を選んだらしい。
「こんなの寮母さんに見られたら、どやされるぞ」
あのうるさい寮母さんだ。
朝会のときに小言を聞かされるに決まってる。
「放っとけって。
...どれも時給安いよな。高校だとこんなもんなのか」
涼介は気に留める様子もなく、他のバイトの募集用紙を眺める。
いたずらに食い付いてしまった自分が子供っぽいような気がして、妙に恥ずかしくなった。
そんな気持ちを涼介に悟られないように、静かにバイト探しに専念することにした。
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