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side 要
『俺、風紀辞める。』
黒時がそう言った。
間違いなく、戸惑う事もなく鏡? 七夕に付き添う様に俺達と通りすぎた。
奈々も思っただろうな。
あれは誰? って。
正直、黒時が風紀を辞めるより俺達に敬語を使わなくなった方が驚いた。
だって、あの黒時だぜ?
たまーに、会長に敬語を使って無いときがあるけど、それは別。
「黒時先輩…僕達の事嫌いになったの…かな。」
奈々が泣きそうな声で呟いた。
俺は黙ったまま黒時の遠退いていく背中を見つめた。
「黒時先輩!!僕…先輩に嫌われる事しましたか!?嫌われる事をしたなら謝ります!だから…風紀を辞めるなんて言わないで下さい!!」
隣で必死に叫んでいる奈々。
辺りの生徒は叫びだした奈々と黒時に自然と視線が移る。
だが、黒時は振り返らなかった。
七夕は、こっちを振り返って ニヤリ と笑った。
奈々は七夕を睨んだ。
俺は……遠退く黒時に視線でうったえていた。
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