Ⅸ 主人と犬

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side 要 『俺、風紀辞める。』 黒時がそう言った。 間違いなく、戸惑う事もなく鏡? 七夕に付き添う様に俺達と通りすぎた。 奈々も思っただろうな。 あれは誰? って。 正直、黒時が風紀を辞めるより俺達に敬語を使わなくなった方が驚いた。 だって、あの黒時だぜ? たまーに、会長に敬語を使って無いときがあるけど、それは別。 「黒時先輩…僕達の事嫌いになったの…かな。」 奈々が泣きそうな声で呟いた。 俺は黙ったまま黒時の遠退いていく背中を見つめた。 「黒時先輩!!僕…先輩に嫌われる事しましたか!?嫌われる事をしたなら謝ります!だから…風紀を辞めるなんて言わないで下さい!!」 隣で必死に叫んでいる奈々。 辺りの生徒は叫びだした奈々と黒時に自然と視線が移る。 だが、黒時は振り返らなかった。 七夕は、こっちを振り返って ニヤリ と笑った。 奈々は七夕を睨んだ。 俺は……遠退く黒時に視線でうったえていた。 .
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