Ⅸ 主人と犬

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side 神崎 黒時 七夕にキスマークを付けられてから数十秒。 黒時は、顔を歪ませていた。 気持ち悪い 体の拒否反応に黒時は必死に対抗していた。 プツンッ 何かが切れる音がした。 それは彼を見てから。 いや、彼等見たから。 そこからは目の前が真っ黒になって、ひたすら涙を流しながら何かを懇願していた。 『俺は…俺は……僕は……………』 嫌だ。 「黒時……。」 「黒時…ッ…」 止めてくださいよ。 そんな二人して傷ついた顔をするのは……。 兄さん、貴方は強いでしょ? 蓮、君は…何故…目に涙を溜めているんですか? 止めてくださいよ。 僕はもう……大切な人に否定されたくはないんです。 『苦しいです、悲しいです。辛いんです。』 黒時は、真っ暗な視界に何故かはっきりとわかる岳菟と蓮を最後にその場で気を失った。 .
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