Ⅸ 主人と犬

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フッ と嘲笑う様に笑った黒時はドアの方へ向かった。 「もう行くのか?」 『……し…』 「ん?」 ボソリ と呟いた黒時に かいと は首を傾げた。 『もし、僕が小説の主人公だとしたら……もう少しで完結しちゃいますね。』 「は?」 『あれでしょ、ハッピーエンド。僕は落ちる所まで落ちましたからね。ハハ…』 「意味わかんねぇけど、その小説?は終わんねぇぞ。まだ神崎は上がってねぇからな。」 『フフフ、それでは、失礼します。』 バタン 後ろ姿を見送った かいと は手で顔を覆った。 ひんやり とした手に自分の頬の熱さを感じた。 「なれねぇ事はするんじゃねぇな。」 まぁ、俺にしては頑張った方だろ? 頑張ってねぇ? ドMキャラなめんじゃねぇ、っと。 good-by 俺は仕事が忙しいんだよ。 .
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