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side 神崎 黒時
保健室を出た後、黒時は廊下をただ歩いていた。
七夕に忠実に。を自分の中で守れなかった事とある人の出現による安堵感により。
『そう言えば…返事…していませんね。』
パッ と浮かんだのは蓮の事。
本当に浮かんだ岳菟を無意識に避けた結果だ。
少し早足になり、いつの間にか理事長室が目の前にあった。
『まぁ……いいか。』
コンコン と二度ノックしてドアを開ける。
頭に包帯を巻いた七夕に七夕を殺すいきよいで睨みつける岳菟。
その二人以外に人の気配?的な物がなかった。
ジッ と岳菟を見つめていたら不意に岳菟がコッチに視線が向いた。
「黒時、、、お前…大丈夫か?」
黒時の下に駆け付けた岳菟は黒時を覗き込む。
『兄さん、大丈夫ですよ。』
微笑む黒時に安心すると岳菟は黒時の頭に手を置いた。
トクンッ
『な…何してるのですか!?/////』
「ん?まぁ良いいじゃね?」
ニコリ と笑う岳菟に黒時はさっきの感情にハテナマークを浮かべる。
クシャクシャ と頭を撫でる岳菟にほんのり胸が熱くなった。
等の本人は俯いた黒時から視線を外し七夕を睨みつけるのを再開した。
七夕は黒時の行動に絶望を感じた。
「僕の計画が…僕が作り上げた計画がッ!!なんで…ブツブツ…」
七夕の視線が黒時から岳菟に移動した。
「お前か……お前のせいか!?忌ま忌ましい!!お前のせいで僕の計画がぶち壊しだ!!」
瞳孔が開いた七夕にもはや可愛らしい美少女の面影はなく殺気を岳菟に送っていた。
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