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『行ってきまーす。』
元気良く玄関を出た黒時は近くの公園で待っていた黒時の幼なじみの朝霧 蓮 と一緒に学校へ向かった。
俺は窓から視線を移すと父さんを見た。
父さんは実年齢にしては若く見えた。
それは母と同じでスラリ とした身体には赤のワンピースが凄く似合っていた。
母は当たりからの目を気にする人で不良で有名な俺を毛嫌いしていた。
「なんだ?」
「父さんは何であんな「岳菟ッ」…母さんと結婚したんだ?」
あんな女 と言いかけた岳菟を父さんは低く名前を呼んだ。
「綺麗だから…だろうな。」
言うのを忘れていたが父さんは タラシで超自由人でそのわりに付け込まれやすい。
所謂、馬鹿野郎だ。
しっかりした父を想像した奴は…まぁ、ドンマイってやつだ。
「糞親父が。」
「それでも、親父って言ってくれる岳菟が大好きだぞ。」
落ち着いた声で話す父さんは声だけクールだ。
声だけ、だ。
「岳菟、学校行きなさい。」
「行くなんて馬鹿らしい。黒時だけで充分だろ。お・か・あ・さ・ま。」
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