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「岳菟様の下へ…参りましょう。」
ゆっくり、ゆっくりと近づいてくる彼。
まさに狂気。
黒時はベッドから下りると口を開いた。
パクパクパク
『………。』
やはり声は出ない。
助けを呼びたい。 そう思うのに、口は空気を含むだけ。
足は恐怖からかガタガタと震えている。
それでも対抗心の様に近くに置いてあった果物ナイフを構えた。
せっかく幸せになれると思ったのに。
なんで、僕の邪魔をするのですか?
僕は神様に誓った事はありません。
信じた事はありません。
ですが、貴方は天罰の様に僕をジワリジワリと追い詰める。
「はぁぁぁあ」
元秘書が雄叫びを上げながら走ってくる光景がヤケにスローモーションに見えた。
嗚呼………これは最後の天罰ですか?
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