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ガシッ
「っ!?」
『貴方は何回、俺に面倒を見させるつもりですか?』
「黒…時…。」
黒時は、三樹の手をしっかり掴んでいた。
平気なフリをしているものの黒時の額から汗が垂れる。
「汗…かいてる。手……は…なして…。」
涙声な三樹に黒時は、いっそう握る手を強めた。
『駄目ですょ。命を粗末にしちゃあ。産んでくれた両親が悲しみます。』
黒時は優しく笑いかけた。そんな黒時の涙一杯に溜めた瞳が三樹の瞳と合った。
「そ……だね。」
黒時を悲しませちゃ…駄目だよね…。
僕一人が死んで悲しむ人はもういないと思ったけど……誰かが悲しむなら。
それに、昔黒時と約束したしね。
「もぅ、自殺は、しないよ…。今度こそ、約……束。」
三樹は、黒時と同じ様に微笑んだ。
ズルッ
三樹の体は重力に従い下に落ちて行った。
黒時の顔が遠退く姿を見ていくつかの後悔が浮かぶ。
バタン
.
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