Ⅲ 新入生歓迎会 最終日

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side 椎名 碧(副会長) あれから、体育館を出て行く当てもなくただ ボー っと歩いていました。 調度生徒会室を通り過ぎようとした時フとなにかが視界にはいりました。 「ん?」 血……ですね。 まだ乾いていない所を見るとそう時間は経っていない様です。 碧は、無意識に血の跡を辿った。 着いたのは屋上に繋がる戸。 躊躇なく戸を開ける為に碧はドアノブを握った。 ガチャ 「……風紀…。」 まず、目に入ったのは仰向けになっている風紀だった。 風紀は、異常な程汗を欠いていて今にも脱水症状になりそうだ。 風紀は、無理に笑うと碧に口を開いた。 『副会長サンじゃありませんか。どうしたんです?いつもより元気がない…ッ…みたいですが。』 顔を歪める風紀に何故か胸が苦しくなった。 何故無理に笑うんです? 痛いのでしょう? なのに…何故、何もない様に振る舞うのですか? 「痛いんですか?」 『そんな…ッ…わけ、ありませんよッ…。』 嗚呼、ほら…また……そんな顔をして……苦しいじゃないですか…。 やめてくださいよ…。 何もできなくて… 「すいませんでした。」 風紀は、驚いた顔をした。 それが何故か、愛おしいと思う私は……異常でしょうか? 「なんですか?その、意外そうな顔は。失礼ですね。私でも誤りますよ。」 碧は、初めて心から笑った様な気がした。 バタッ へ? 風紀が気絶してしまいました。 碧は、慌てて風紀に駆け寄った。 碧が初めに目にしたのが風紀の腹部に刺さっているナイフ。 な…んです? これは。 碧は、慌ててポケットから携帯を取り出し電話をかけた。 .
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