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桜が咲き始め、春が顔を覗かせるこの季節はなんとも眠たくなる。
ふわぁっと欠伸をしてみると、いっそう睡魔が私を襲う。
寝ちゃダメなのに……
普通に授業中なら、なんのためらいもなく寝ただろう。 しかし、今はダメなのだ。
卒業式の練習中なのだから。
私はまだ中学生だけど、高校に行ったら、小学校の頃とは違って、仲のよかった友達とも離ればなれになってしまうのだ。
そう……私の幼なじみ、小鳥遊 宏汰(たかなし こうた)とも……
愛称はこうちゃんで、 明るくて活発で面白い。 みんなのムードメーカーで、私の自慢の幼なじみだ。
昔から仲が良くて、一番の親友。 下校の時もよく、一緒に帰った。
そんな中で、私は彼に思いを寄せている。 だけど、この気持ちに彼は全然気づいてはくれない。
「う……ん……」
再びものすごい睡魔が私を襲う。
ボケッとしていた私は抵抗なく夢の仲へと落ちてしまった。
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