プロローグ

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「いい加減元気を出せ、たかだか一振りの剣ではないか。」 魔王は心配してか珍しく優しい声をかけてきた。 「そうですよご主人様!剣なんかまた探せばよいではないですか。なんなら獣人直伝の拳闘術を教えますよ?」 メアーナは空に向かってシュッシュッと拳を振りながら、俺に元気を出すように声をかけてくる。 「はぁ…、俺の剣…」 だが、そんな状況でも俺の気持ちは全く晴れない。 何故なら俺の愛剣であるロシィナが前の戦いで折られてしまったからだ。 魔剣ロシィナ、人界に同じ銘の剣は5本のみ存在する。 大半は贋物だが俺が持っていたロシィナは正真正銘の本物だ。 その一振りと使い手次第で一国の一個大隊に匹敵する伝説的な剣と言われている。 そんな一本が折れてしまったのだ。 俺の落胆具合も汲み取れよう。
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