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第1話
4月の春、真新しい制服に腕を通して鏡の前に立つ。
中学生の頃のセーラー服とは全く違う、ブレザーの制服。
リボンをつけて、スカートを2回折る。
くるんと鏡の前で1回転するとプリーツの裾がふわりと舞う。
今日は始業式。
「由香ー!ご飯出来たわよ!」
お母さんの声がする。
「はーい」と返事をしてリビングに向かった。
リズムよく階段を降りる。
洗濯機がごうんごうんと稼働していた。
ドアを開けるとリビングには良い香りが立ち込め、ダイニングテーブルには弟である晃太が座り味噌汁をすすっている所だった。
「晃太おはよ」
「…はよ」
中学2年生になり、以前よりも素っ気ないが挨拶だけは返してくれる弟だ。
「由香、カウンターにお味噌汁とご飯置いたわよ!」
キッチンからはお母さんの声。
言われた通り味噌汁とご飯を取り、自分もダイニングテーブルに座った。
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