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「まぁちょっと落ち着けって、副長も嬢ちゃんも」
一見軽そうに見える目鼻立ちがよい男が止めに入る。
「俺は十分落ち着いてるよ!!佐之助!!」
「はいはい、とりあえず副長も嬢ちゃんも座りな。話はそれからだ。」
唯は座ってなどいられない。早くバスに戻らなければいけないのだ。
「お世話なったようでありがとうございます。お礼は後日改めていたしますので失礼します。」
唯は側にあったガイドカバンを手にとると一礼して部屋から飛び出した。
「おい!!コラ!!待ちやがれ!!」
土方と呼ばれた男が怒鳴る。そして追いかけた。残りの男たちも後に続いた。
(なんなん!?今は話してる場合じゃないねん、バス戻らな!!ってかこの家セットちゃうやん、本物!?)
唯は走った。
なんとか玄関を見つけて外に出ようとした。
「って靴!ない!!」
バスに予備の靴があるので裸足で飛び出す。
砂利が足の裏を刺激して痛くてたまらないがひたすら走った。
どうも壬生寺に隣接する八木邸にいたらしく、すぐに寺に着いた。
が、そこは唯が知っている壬生寺の境内と少し違っていた。
「?……社務所がない…ってかなんか景色が違う…」唯は踵を返して四条通りに走った。
追いかけてきた男たちと鉢合わせたが間をぬって通りを目指した。
走りながら携帯を取りだし会社に電話をしようとしたが、圏外だった。
「はぁ?なんで?京都のど真ん中やのに圏外って!!◯コモ何してるん!!」
息切れしながら大通りに出た。
「は!?なにこれ?」
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