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(総司…って沖田総司?さっき新撰組って言うてたし…)
「今、何年ですか?」
「あぁ?こっちの質問にまず答えるのが先だろうがよ!!」
正面の男が苛立ちをあらわにする。
「もぉ、土方さんってば。落ち着いてくださいよ。」青年は唯に優しく微笑みながら
「今は文久3年ですよ」
「文久3年…うそやん…」(その年は江戸に浪士が集結して会津藩のお預かりになった彼らが京に登って新撰組を発足する年や…)
唯は仕事柄少しだか歴史は分かる。専門家ではないからうろ覚えだが…
「うちはどこにいてたんですか?」
唯は質問を続けた。
「その前に名前ぐらい名乗ってもバチはあたらねぇんじゃねぇか、嬢ちゃんよ。」
正面から低い声でかえってきた。
「私の名前は、高梁 唯といいます。私は一体どこにいたんですか?」
「高梁 唯ねぇ…」
そう呟きながら正面の男は顎をさすった。
「唯さんですか、見た目だけじゃなくって名前もかわいいですね。私は沖田総司といいます。「おい!!総司!!名乗るのはまだ…!」大丈夫ですよ、土方さん、唯さん見たところ忍びって感じもしませんし。ね。」
そういうと沖田はニッコリ微笑んだ。
「沖田さん…私はどうしてここに?」
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