2.再会

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    翌日。 学校へ行くと、既に流衣は来ていて、昨日と同じように周りには人だかりができていた。 人あたりが良いらしく、もう仲良くなっているようだ。 そんな流衣を横目に席へ着く。 夢じゃないんだ。 そう思うと嬉しくなった。 「なーるっ。何ニヤニヤしてるの?」 ぽんっと肩を叩いてきた沙和の顔は人のこと言えないくらいにやけている。 「沙和こそ何ニヤニヤしてるの?」 「そりゃぁ、奈留の顔が面白いからでしょ」 沙和は席に荷物を置いて、どさっと椅子に座る。     「で?何考えてたの?」 「流衣のこと。夢じゃないんだなぁって思って」 沙和は“ふーん”と言って流衣の席の方に目をやる。 するといきなり“あっ”と声をあげた。 それと同時に目の前が真っ暗になった。 「え?なに?沙和?」 沙和の名前を呼んでも“んー?”と言うだけで、何が起こってるのか教えてくれる気はなさそうだ。 目元を触ってみると、人の手の感触。 誰かが目隠しをしているようだ。 「え、誰?帝?」 でも帝はこんなことするタイプじゃないし。 「はずれー」       頭の上から声が降ってくる。 この声は―― 「流衣っ!?」 「せいかーい」 流衣が言うと同時に視界が明るくなった。 後ろを振り向くと流衣が笑っている。 「おはよう、奈留。びっくりした?」 「え、あ、おはよう。びっくりしたよ、もう」 いきなり過ぎて頭がついていっていない。 混乱してる私を見て流衣は面白そうに笑っている。
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