チェリーブロッサム①

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「ゲーム進んだか?」 「まぁまぁだな。漸くバハムートを仲間に出来たが、お陰で寝不足だ」 「んじゃリヴとメイサを仲間に出来るのはまだまだ先だな」 「メイサはまだまだだが、リヴはもう少しで仲間に出来た気がするんだが……」 どうだったかな、と蒼湖が笑う。 小学生以来の懐かしいゲームを押し入れから引っ張り出したのは、花見から帰った当日。 以来蒼湖は、毎日少しずつ、コツコツとゲームを続けている。 それと並行して行っている作業もまた、蒼湖の寝不足の一端だ。 「モーんトコに遊びに行きてーなぁ」 「行けばいいじゃないか。ユーイはよく行っているらしいぞ?」 「ああ、聞いてる。紫允さんとオネーサンもよく行くみてーだけど……そーいえば、銀河は紫允さんが留守の間はいつも向こうに居るってよ」 「へぇ。じゃあモーは寂しくないな」 「つか、銀河行き過ぎだろ。……鷹央達、元気かな。花見以来会ってねーから会いてーよ」 「まさか全員同い年だったとは思わなかったが受験生だからな。仕方がない」 「俺達もだろーがよ」 「ふっ、そうだったな」 「何処でも余裕で入れる頭を持った奴はこれだから……」 「鷹央達は帝都狙いみたいだぞ」 「マジでか! 俺と一緒じゃねーか! お前はどーすんだ?」 「俺は――まだ決めていない」 蒼湖には、物心ついて間もない頃からの夢があった。 けれど、普通に生きていれば知らなかった世界を見、それによって得られた貴重な体験が、蒼湖を迷わせる。 まだもう少しだけ迷える時間があるから……迷おうと思う。 選んだ道を、只管に、真っ直ぐ進んでゆく為に――。
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