チェリーブロッサム②

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5月1日───。 「綺麗に咲いたわね~」 「見事な桜と星空を独占とは、何とも贅沢な花見だな」 「植樹の時に桜を植えようって言ってくれた蒼湖君に感謝だね。な? 銀河」 「ウォン!」 「<モーの鍵>を使わねー花見は初めてだな! 長かったぜ10年!」 「モー、フェニックスはどうしました?」 「アヤツは城の屋根が好きでの。下りて来ぬわ」 「風見鶏みてーだな。リヴとメイサはちゃんと居るのにバハムートはどーしたよ」 「さぁのぅ……何処かを飛んでおるのじゃろうが……」 「また行方不明かよ!」 「バハムートはちょくちょく居なくなるのじゃが……花見の前日の夜からは全く姿を見掛けなくなるわい。メイサに聞けば、ブラックホールの近くで見掛けた事があると言うておったぞい」 プログラムとリンクしているモー小陸。 姿が見えないのは寂しいけれど、リヴァイアサンも零式もバハムートもフェニックスも、ノビノビと暮らしている様だ。 「まぁ元気ならいいよ。はい、モー、野菜ジュース」 「おお! すまぬの、ユーイ!」 「モーは相変わらず野菜ジュースが好きね~」 主催者の裏切り者だった伊集院に初めて野菜ジュースを振る舞って貰ってから、帝王は野菜ジュースが大好きだ。 毒と間違えた黒い炭酸飲料は今だに馴染まないらしいが、果物のジュースも気に入ったらしい。 そんな帝王の為に、伊集院は暇を見付けては<テレパ・ムー>で連絡を取り、時空の扉を抜けて届けに来ている。 未来から送られてくる、医薬品と一緒に。
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