チェリーブロッサム②

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「そうか……。お前の野性の勘は素晴らしいな」 茶化した様な言い方に紅姫はムッとしたが――。 「そんなに早い段階で察したのは、お前だけだろう。流石だな……親友」 ――!! ビックリした紅姫の顔が、みるみる内に赤みを帯びていく。 蒼湖が紅姫に対し親友なんて言葉を口にしたのは、これが初めての事だ。 10年前、蒼湖は紅姫を親友と呼んだが、紅姫がそれを知る事は無かった。 それは、紅姫がナイツオブラウンド戦で最期を迎えた時の事だったからーー。 嬉しくて。 だけど、照れる。 「バッ、何だよ急に! つか……ったりめーだろ! 今も昔も、俺はお前の大親友だぜ!?」 大股で勢いよく歩き出した紅姫の後を、蒼湖のクスクス笑う声が追い掛けていく。 「これからも、だろ?」 蒼湖が問う。 「だから! 当たりめーだっつの!!」 紅姫が返した。 余りに声が大きく、付近の犬が一斉に吠えてしまい、2人が慌てる。 「何をやっているんだ、バカかお前は!」 バシッ! っと紅姫の頭をはたいた蒼湖は、動揺している親友の腕を掴み、走り出した――。
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