第1章
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俺はいつもあの女のことを 岩陰から見ていた。 女は夜遅くになると 浜辺へとやって来る。 女は海に面して建っている城の 騎士団の副隊長だ。 名は、《ローザ・クレール》 女にして男をも凌ぐ戦闘力を 認められて副隊長まで 上り詰めたらしい。 ローザは猫目のアメジストの ような瞳。 漆黒の艶やかな黒髪が肩の あたりまで伸び海風に なびいている。
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