*第二章*

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「おおお兄ちゃん、こんなとこでなにしてんの…っ」 「…なに、急に。その呼び方、気味悪いんだけど。いつもみたいに『翔』って言えばいいじゃん。」 最後に小さく、こんなところでなにしてるって ここ俺のクラスの前だし。と付け加えられる。 またまた視線が鋭く突き刺さる きょうだいだってば…っ! 翔も翔で キョーダイっぽいこといいなさいよっ 隣にいる瑞季の肩が 微かに震えている。 …みずき… 楽しんでる、ぜったい…っ 「わ、私は翔の双子の妹なのでっ 気にしないでください…」 まわりにむけて そう言ってみたものの あちこちから 「嘘でしょ」 とか 「全然似てないじゃん」 とか「怪しい…」 とか聞こえてくる。 たしかに 私たちは 双子でもあまり、というより ほんと似てないから 説得力はなかったかもしれない。
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