*第一章*

2/6
前へ
/49ページ
次へ
ああ、むかつく。 朝からすごくいらいらする。 「…もおおおっ!」 ばんっ…―― 主人公、月野結衣は怒りに任せて思いっきり扉をしめる ー朝の屋上ー 「なんなのよ!あんたは!いっつもいっつも邪魔ばっかりして…!」 わかってる。 こんな風に怒ったって 目の前にいるこいつ… 私の双子の兄、 月野 翔には 効かないのだ。 「えーだってだって、ゆいちゃんいやそうだったからぁ~」 「…声を変えるなっ!気持ち悪い!しかもあれは嫌だったんじゃないの!緊張してたのよっ!」 「えぇ~?ぼくにはそんなふうには見えなかったけどなあ♪」 こんな話し方をするが オネェキャラでもなんでもない。 私をからかうときは いつもこうなのだ。 「いったいどうしてくれるのよ!せっかく…せっかくいい感じになってたのに!!」 私が 翔にむかって 声を張り上げている訳ー… さかのぼること約10分前。 ・ ・
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加