*第一章*

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「ふぁああぁ…」 ねむい。 すごくねむい。 ここ 桜庭高校は 普通の学校よりも少しだけ朝が早い。 生徒の学力向上のため 朝7時半から SHR(ショートホームルーム)の時間まで 約40分 講習があるのだ。 しかも 今日は私が日直なために さらにはやく来なければいけなかった。 ああ… ほんとねむい… かえりたい。 「月野さん!」 … この声は……―― 「柏木くん!おはよう!」 「おはよう。今日は早いね、日直?」 「うん。柏木くんも?」 「あ、俺はいっつもこれくらいに来てるんだよね。ほら、なんか誰もいない時間だと静かだし、講習の予習ができるだろ?」 そういって にこっと柔らかい笑みを向けてくれる 彼 柏木優斗くんは…私が最近気になっている男の子。 すごくやさしいし、 努力家だし 頭もいいしスポーツもでき きれいな顔立ちをしている カンペキな人。 最近彼の方から話しかけてくれてすごく嬉しい。 「そっかぁ、柏木くんはほんと努力家だよね。私、朝だけはどうしても苦手~」 「はははっ俺も最初はきつくて学校に布団持ってこようかと思ったくらいだったよ。けどなれた。」 こんな とりとめもない会話をするのが 大好きだ。 こうやって 彼と話せるのなら 日直も悪くない。
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