*第一章*

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「ねぇ、柏木くん…私も明日からこれくらいに来ていいかな…?」 なんて、言ってみる。 「え?」 「ああああのっ、迷惑とか邪魔だったらやめるしっ」 『迷惑』って言われたらショックだけど。 「え?いやいや!そんなことないよ!むしろ月野さんと話せて嬉しいかも。」 「べっべっ勉強の邪魔になったりしないかな?もちろん私も勉強するつもりですがっ」 なんだか緊張してどもってしまう。きっと今の私は 真っ赤な顔をしているだろう。 「しないしない。一緒にやろうよ。けどなんか安心したよー」 そういって彼は少し大袈裟にため息をついてみせる。 「安心?」 なんのことだろう。 「なんか、月野さん俺と話すときだけ固まっちゃうからさ。嫌われてるんじゃないかって焦ってた。」 え… そっか。 私緊張して かたまってるんだ。 うん…自覚はあったかも。 でも、柏木くんて 鈍い…? 「え!あたし柏木くんのこときらいー―……」 もがっ… 『嫌いじゃない』 そういおうとして そこで途切れてしまった フワッと香る香水のニオイ。 「ゆいは嫌いな人の前だと昔っから、かちっこちだもんね♪」    ・・・ そう…この男に 月野翔に口を塞がれたからである。
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