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「ねぇ、柏木くん…私も明日からこれくらいに来ていいかな…?」
なんて、言ってみる。
「え?」
「ああああのっ、迷惑とか邪魔だったらやめるしっ」
『迷惑』って言われたらショックだけど。
「え?いやいや!そんなことないよ!むしろ月野さんと話せて嬉しいかも。」
「べっべっ勉強の邪魔になったりしないかな?もちろん私も勉強するつもりですがっ」
なんだか緊張してどもってしまう。きっと今の私は 真っ赤な顔をしているだろう。
「しないしない。一緒にやろうよ。けどなんか安心したよー」
そういって彼は少し大袈裟にため息をついてみせる。
「安心?」
なんのことだろう。
「なんか、月野さん俺と話すときだけ固まっちゃうからさ。嫌われてるんじゃないかって焦ってた。」
え…
そっか。 私緊張して かたまってるんだ。
うん…自覚はあったかも。
でも、柏木くんて 鈍い…?
「え!あたし柏木くんのこときらいー―……」
もがっ…
『嫌いじゃない』 そういおうとして
そこで途切れてしまった
フワッと香る香水のニオイ。
「ゆいは嫌いな人の前だと昔っから、かちっこちだもんね♪」
・・・
そう…この男に
月野翔に口を塞がれたからである。
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