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唖然として口をパクパクさせている私と反対に、先生はリョウスケくんに向かって親しげな笑みを浮かべる。
「そうか。リョウスケはくすぐったいのを我慢してるミイちゃんを見て、可愛いって思うんだな。」
「うん。ミイちゃんは僕がくすぐると、ぎゅって体を小さくして困った顔で僕を見るの。目が少しうるうるしててね……」
「あー、それは可愛いな。もっとイジワルしたくなるリョウスケの気持ちも分かるわ。」
「うんっ、すっごく可愛いよ。」
「……」
……この二人の会話、何かが間違ってる……。
「けどさ、今度から、あんまりしつこくするのは止めておけよ。
特に相手が一生懸命何かをやってる時に、ふざけたり邪魔するようなことをしたら嫌われるぞ。」
「えっ、……ミイちゃん、僕のこと嫌いになっちゃったかな……」
リョウスケくんが不安そうに眉を下げる。
「いや、今はまだそんなことないだろ。だって初めは仲良く、くすぐりあっこしてたんだろ?
リョウスケのこと嫌いだったら、最初から、くすぐりあっこなんてしないと思うけど?」
そう言うと先生は、リョウスケくんの頭に手を置いて、くしゃくしゃと撫でて言った。
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