雨の日の秘密

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「余計に?」 「あ…」 「余計に、て、どういう事?」 「あ、えっと…」 …しまった。つい口が滑っちゃった。 教頭先生に、滝沢先生と私か奈央が、何か特別な関係じゃないかって疑われてることは、 知らないフリをするつもりだったのに…。 「佐伯。」 「……」 「ここ、座って。」 先生は、もう1つの机の前に置かれたキャスター付きの椅子を引くと、私に座るように促した。 「佐伯、早く。」 「…はい…」 滝沢先生の目力に負けて、私は抵抗を諦め素直に、すとんとキャスター付きの椅子に腰を降ろした。 さっきまで、私が先生に文句を言って攻めてたのに、 今度は私が、攻められる立場になってしまう。 *
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