雨の日の秘密

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もっと先生と一緒に居たい私は、思い切って我が儘を言ってみる。 「…それなら…先生の家で観たい…」 「いや、でも…な…」 軽く視線をさまよわせる先生の横顔を見て、私は確信した。 …先生、迷ってる…。 私は、先生の気持ちを揺さぶろうと、必死で言葉を重ねる。 「途中まで観てるんだもん。そんなに時間、かからないと思うし…」 「……」 「ね、いいでしょ?」 「……」 「勉強を頑張ったご褒美に。ね?」 「……」 ************ 15分後。 先生の部屋のソファーに座りながら、私は隣りに座ってリモコンでDVDを操作する先生の横顔を、こっそり眺めていた。 私の揺さぶりが成功して、1時間だけという約束で、先生は私の提案を受け入れてくれたのだ。 *
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