雨の日の秘密

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私は口に含んでいたお茶を吹き出しそうになり、慌てて飲み込む。 …ちょっ…ちょっと、ちょっと待って…。 いくら極限状態で盛り上がってるからって、そんな所で、そんなキスしちゃっていいの? それとも、外国ではあのくらい当たり前なの? 画面が切り替わり、2人は海の見えるテラスに立って、海を眺めている。 海は、夕陽のオレンジ色の光を反射して、キラキラと輝いている。 どちらともなく唇が重なり、また2人は深いキスを交わす。 先生の隣りでこれ以上観るのが気まずくて、私はソファーから降りてマグカップをローテーブルに戻した。 「もう終わりみたいだから、止めますね。」 リモコンに手を伸ばすと、私の手の上から先生の手が重なり、それを阻止する。 「まだ、終わりじゃないだろ。2作目のストーリーから考えても、このままあっさり終わるってことはないと思う。」 「そ…ですか…」 リモコンから手を離すと、先生が後ろからそっと抱き締めてくる。 「もう少しだから、最後までおとなしく観てろよ。」 「…はい。」 画面の中のキスはどんどん深くなっていき、男性の唇が主人公の女性の首筋を辿って胸元へと下りていく。 ……先生と観てるのに、あんなエッチなキス…恥ずかしすぎる……。 *
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