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胸に押し当てている私の耳に、ドクドクと速くなった先生の胸の鼓動が聞こえてくる。
いったん、私から手を離すと、先生は床から腰を上げてソファーに座った。
先生の潤いのある綺麗な瞳で熱っぽく見つめられて、私は息が止まりそうになる。
先生は、す、と手を前に差し出して言った。
「…佐伯…こっちおいで…」
息苦しいくらいのドキドキを感じながら、私は目の前に差し出されたその手に向かって、吸い寄せられるように自分の手を伸ばした。
熱を孕んだ私の指先が先生の手に触れた瞬間、
私の親指以外の4本の指は、先生の手に包み込むように握り締められる。
そのままグイッと引っ張られて倒れ込んだ私を、先生は背中に回した腕で支えながら、少し乱暴に唇を塞いだ。
先生の舌があっという間に入り込んできて、私の口内をメチャメチャにかき回す。
「…ん…ふ…あっ…」
そんな荒々しいキスと対照的に、指先で背中やうなじを優しくなぞられて、堪らなくなった私は身をくねらせた。
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