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部活の時間が終わり、いったん職員室へ戻ってくると、
ちょうど実行委員会を取りまとめている体育教師が、教師参加の競技のチーム分けリストと、出場種目の一覧が載ったプリントを配っているところだった。
「お、滝沢先生がAチームのリレーのアンカーなんだ。」
「ああ。」
俺がアンカーになっているのに気づいた米倉が、俺の席に寄ってくると、周りに聞こえないように小さく囁く。
「…滝沢って、こういうの、熱くなるタイプだっけ?」
「実行委員の生徒に頼まれたんだよ。断る訳にいかないだろ。」
「ふーん…俺はBチームの3番目に走るのか……あっ…」
リストを見ていた米倉が、突然声をあげた。
「何だよ、これ。何で滝沢と佐伯美和子がペアになってんの。」
「……何でって…作戦だよ、作戦。」
「作戦?何の?」
「勝つための作戦に、決まってるだろ。」
何食わぬ顔で、俺はさらっと答えた。
二人三脚の組み合わせと順番については、俺なりに勝つための作戦を立ててたつもりだ。
二人三脚は、お互いの息を合わせることが大事だ。
そのことを考慮して、元々親しくしている生徒同士は、ペアを組ませた。
強いペア2組を作って、1組は最初の順番にし、できるだけBチームとの差が広がるのを狙う。
もう1組の強いペアは、最後に持ってくる。
もしもBチームに遅れをとっても追い上げられるように、だ。
どちらかというと、おっとりした女子生徒には、リードしてくれそうな男子生徒とペアを組ませるなどの配慮もした。
俺と佐伯は、真ん中ぐらいの順番。
不自然にならないように、他にも教師と生徒のペアを作ってある。
さらっと受け流そうとするが、米倉は更に突っ込んできた。
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