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「……亜紀ちゃん達、こういうの着てるの?」
「ううん。今持ってるのはタンキニなんだけど、もっと大人っぽいのが欲しいんだよね。美和子ちゃんのは、どんな水着?」
「私はワンピースだけど……中学の時に買ったのだから、スク水とあんまり変わらないかな。」
「私もそうなの。でも今年は彼氏と夏休みに海に行く約束してるから、もっと可愛いのが欲しくて……」
「いーなー、愛美は。ラブラブで……」
はあーっ、と小さくため息をついた亜紀ちゃんは、心底羨ましそうな顔で愛美ちゃんを見て言った。
「そんなっ……ラブラブってほどじゃ……」
「でも、夏休みもほとんど毎日会うんでしょ?」
「え……ほとんど毎日?」
「うん。私が寂しがるといけないからって……。それに彼も、毎日でも会いたいって……」
「世間ではそれを、ラブラブって言うのっ。」
「そう?付き合ってるなら、毎日会いたいと思うのは普通だと思うけど」
「いいなー。私も彼氏欲しい。」
「ね、今週末、亜紀ちゃんと水着買いに行くんだけど、美和子ちゃんも一緒に行かない?」
「えっ……でも私……着る予定ないからな……」
「そんなの、まだ夏休み前だもん。これから予定入れちゃえばいいよ。」
「……うん……」
「美和子ちゃんなら、誰かに誘われるんじゃない?テニス部の男子とか……」
「……」
愛美ちゃんの言葉に相槌を打ちながら、たぶん無理だろうなと、心の中でため息をつく。
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