複雑なオトコゴコロ

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「ダメだろ、これは。」 「えーどうして?」 「どうしてって……似合わないよ、佐伯にはこんな派手なの……」 「えー、そうかなあ……じゃあ、これは?」 「これもダメ。紐がほどけたらどうするんだよ。」 「あ、だったらこれは?これならいいでしょ?」 愛美ちゃんが、白地に花柄のビキニを指差す。 「紐で結ぶデザインじゃないし、清楚な感じで美和子ちゃんにピッタリじゃない?」 「うんうん。美和子ちゃん、絶対似合うよ。ね、先生?」 「……」 先生は文句のつけようがないのか、グッと軽く唇を噛み締めて黙り込んでいる。 「美和子ちゃんはどう?どれか好きなのあった?」 最初からこの白のビキニが可愛いと思っていた私は、亜紀ちゃんに思ったままを伝えた。
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