複雑なオトコゴコロ

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「暑い?」 「はい。走ってきたから……」 火照った顔をパタパタと手で仰ぐ私を見て、先生はエアコンの風量を強めてくれる。 「そんなに急がなくても、よかったのに。」 「……だって、」 「ん?」 「……」 「何?」 「あ……あの……」 「先生に早く会いたかったから」というセリフを口にしようとして、照れた私は、ぽ、と頬を赤らめる。 「何でそこで赤くなるの?」 先生は小さく笑うと、赤くなった私の頬を愛おしそうに指で撫でてくれた。
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