5283人が本棚に入れています
本棚に追加
先生の指先は、頬から私の睫毛にそっと触れ、そのまま顔の輪郭をなぞっていく。
先生に触れられて、好きな気持ちが一気に溢れ出してきた私は、ちょっぴり甘えるように先生を見上げた。
「……せんせ、」
「ん?」
「……ね……」
「……」
キスをねだるように、そっと目を伏せる。
ごそ、と動いて先生が近づく気配がした。
トクトクと早くなっていく胸の音が、体中に響いて聞こえる。
きゅっ、と身体に力を入れて、その瞬間を身構えていると、先生は両手で私の頬を、ぷに、と摘んだ。
「っ……なっ、何するんですか……」
「お前、ちょっと太った?」
「……え……」
「前より触り心地いいんだけど。ぷにぷにしてて……」
「……」
……ぷ……ぷにぷにって……。
ずどーんと落ち込む私を見て先生は、やば、という顔をする。
「……いや、佐伯は前が細過ぎたんだよ。それくらいふっくらしてた方が、ちょうどいい……」
「……つまり、前より太ったように感じる、てことですよね。」
「……」
「……」
「触り心地は、な。」
「……」
最初のコメントを投稿しよう!