複雑なオトコゴコロ

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生のトマトはもちろん、缶詰めのホールトマトやトマトジュースなども活用して、食事にトマトを取り入れていく。 間食をやめて、ジュースを飲む時もトマトジュース。 トマト漬けの日々を数日送っていたら、さすがにトマトの味に飽きてきてしまった。 今日から短縮授業になり、授業はお昼前に終わる。 教室では、部活のある生徒だけが残って、お弁当を食べていた。 私の今日のお弁当のメニューは、トマトソースのパスタ、鶏肉とパプリカのトマト煮、ミニトマト。 ちなみに鶏肉のトマト煮は、昨日のおかずの残り物だ。 朝、お弁当を詰めている間にもう、私はうんざりしてしまっていた。 私と机をくっつけて食べていた奈央は、私のお弁当をちらりと見て率直な感想を漏らす。 「……美和子のお弁当、今日も赤いね……」 「……うん……」 「毎日、よく飽きないね。」 「もう、飽きてる。何かトマト味ばっかりで、食欲ないかも……」 カチャ、と箸を置いた時、サッカーのユニフォームに着替えた村松くんが、制服を手に持って教室に入ってきた。
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