複雑なオトコゴコロ

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「あー……まだまだ、だな……」 「……まだまだ、て?」 村松くんは、感触を楽しみように何度も私の頬をぷにぷにと摘む。 「うん、悪くはないけど……個人的には物足りないな、このくらいのぷにぷにレベルじゃ。 むしろ、もっと太った方がいいんじゃねーの?」 「だ、だめだめ……これ以上太ったら私、ますますビキニが……」 「美和子なら、ちょっとくらい太っても全然いけるって。 私も今年は挑戦してみようかな……ビキニ……」 「……え……」 奈央が何気なく零した言葉に、村松くんがピクリと反応した。 「……な、何?お前らプールとか行く予定でもあるの?」 「ううん、はっきりと決めてるわけじゃないけど……去年は行ったよね、美和子と2人で。」 「うん。」 「……佐伯と2人で……」 村松くんは、不安そうに顔をしかめる。 「……ね、結局美和子はこの前亜紀ちゃん達と買い物行った時、ビキニ買わなかったんだよね。」 「うん……太った、て思うと、何か着る勇気なくて……」 「それじゃあ、今度は私と買いに行こうよ。私もビキニ初めてだから、美和子に一緒に選んでもらいたい……」 「ちょっ、ちょっと待てよ。」 村松くんは、慌てたように口を挟んだ。
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