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「何、勝手に決めてんの。ビキニなんて、ダメに決まってるだろ。」
「どうしてダメなの?ビキニくらい、みんな着てる……」
「よそはよそ、うちはうち。みんなが着てても、奈央はダメ。」
「い、意味分かんないっ。そんな頑固なお父さんみたいなセリフ言ってないで、分かるように説明してよ。」
「っ……そのくらい……ちょっと考えれば分かるだろっ。」
「分かんないから、聞いてるんでしょ。」
「なっ……」
村松くんは半分イラっとしたように、頭をクシャクシャッとした。
「いいか。男ってのはな、みんな女の子のこと、やらしー目で見てんだよ。
胸とか尻だけじゃなくて、鎖骨とかうなじとか太ももとか肘裏とか……それぞれ外せないポイントがあって……。
ビキニなんて露出多いの着てたら、余計に見られるだろうが。」
「……で、でも……」
「……奈央のビキニ姿……他の男に見せたくない……」
「……村松くん……」
「奈央のビキニ姿を見ていいのは、俺だけなの。」
「……え、えっち……」
奈央は真っ赤になって、村松くんの腕をバシッと叩いた。
「いてっ、何だよ。」
「な、何か、顔がやらしかったっ。今、想像したでしょ?私がビキニ着てるとこ……」
「……何で分かるんだよ……」
……仲良しだね、村松くんと奈央……。
くすくす笑いながら私は、2人がじゃれあう様子を眺めていた。
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