複雑なオトコゴコロ

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「せ、せんせっ……」 さっきとは比べものにならないくらい、心臓がバクバクと音を立てる。 「……危なっかしいから、部屋まで連れて行く……」 「えっ、あのっ、」 「お邪魔します。」 先生は私を抱き上げたまま玄関を上がって、リビングの横の階段へと歩いて行った。 階段を登りながら、しっかりと抱きかかえようとした先生が、膝裏に回した手で私の太ももに触れる。 ……うわ……。 ぞくっ、とした感覚に足を動かすと、先生がじろりと上から見下ろしてくる。 「こら、危ないだろ。暴れるなよ。」 「だ、だって……」 「いいから、じっとしてろよ。」 「……はい……」 先生は私の頭を、自分の胸に引き寄せるようにして抱きかかえながら、階段を登って行った。
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