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Tシャツワンピースに着替えると、私はコロンとベッドに横たわった。
シーツのひんやりした感触が、心地良く感じる。
先生の言う通り、少し熱が上がってきたのかもしれない。
私は、まだ少し冷たさの残るペットボトルを、火照った顔にそっと当ててみた。
「……気持ちいい……」
身体がだるいせいか、自然に瞼が下がってくる。
……どうし……よう……先生が戻って来るまで、起きていたいのに……。
そう思いながらも程なくして、私は意識を手放してしまった。
* * *
どれくらい時間が経っただろうか。
おでこのひんやりとした感覚に、目を覚ます。
「ん……」
ゆっくりと瞼を開けると、見慣れた天井が視界に飛び込んできた。
……そっか……私、寝ちゃったんだ……。
無意識におでこに手を伸ばすと、ひんやりとしたタオルが指先に触れる。
先生が戻ってきた事が分かり、慌てて起き上がろうとすると、温かな手が私の背中にそっと触れた。
「目、覚めたか?」
「っ……先生……」
ベッドの縁に腰掛けて、先生は優しく私を抱き起こしてくれる。
「熱は?測ってみた?」
「あ……まだです……体温計、下の部屋にあって……」
私の言葉を聞いた先生は、す、と手を伸ばして、私の前髪を軽くあげた。
こつん、とおでこをくっつけたまま、潤いのある綺麗な瞳が私の瞳を覗き込んでくる。
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