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ものすごく真剣にゼリーを選ぶ私を見て、先生は、ぷ、と吹き出して言った。
「すっごい真剣な顔。」
「あ……」
「安心したよ。食欲出てきたみたいだな。」
「……」
……は、恥ずかしい……、
今ここに穴があったら、絶対に入る……私……。
「そんなに悩まなくてもいいよ。このゼリー、全部佐伯のものだから。
どれから食べるか、順番を決めるだけで……」
「……はい……」
真っ赤になった私を見て、先生はグーにした手を口に当てて笑いをこらえている。
「で?どれから食べるか決まった?」
「……そ、それじゃあ、この洋梨のをいただきます……」
「どーぞ。」
「……」
……そんなに笑わなくてもいいのに……。
先生、声……震えてるし……。
羞恥でいっぱいになりながら、私は洋梨の入ったゼリーに手を伸ばした。
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