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「自分の好きな女の子に自分好みの水着を着せて、それを独り占めできるなんて……。
あー何か俺、今からドキドキしてきた。」
「ちょっ……勝手に話を決めないでよ。私は美和子と……」
「だから、佐伯と3人で買いに行こうぜ。
何なら佐伯のビキニも、俺が選んでやってもいいし。」
「ええっ?私はいいよ。自分で……」
「遠慮するなって。俺が奈央と佐伯に、ビシッとしたビキニを選んでやるからさ。」
「遠慮とかじゃなくてっ……だいたい、ビシッとしたビキニって、どんなの……」
「だから、"THE 佐伯"みたいな感じのぴったりの水着、てことだよ。
うーん、そうだな……佐伯だったら、フリルがついた甘い雰囲気のとか似合いそう……」
「勝手に想像するなよ。」
先生は、す、と動いて隠すように私の前に立つと、村松くんの肩をぐっと掴んだ。
「佐伯はダメ。想像するのも禁止。」
「イテッ。痛いっスよ、先生。」
「……あ……悪い……」
力を入れ過ぎた事に気づいて、先生が村松くんの肩から手を離す。
「……先生、何か怒ってます?」
「いや……」
先生はコホンと咳払いをすると、村松くんからさり気なく視線を逸らした。
2人の様子を面白そうに見ている奈央に、私は小さな声でそっと囁いた。
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